紅茶に恋をしてもいいのでしょうか

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「好きです」

これで何回目の告白だろう。
両手の指を折り曲げた回数を超えたくらいには数えるのを止めてしまった。

コーヒーが、飲めるようになったら考えるという何度伝えたか分からない断り文句。

あれから更に2年が経った。
まだ私はコーヒーが苦くて飲めずにいる。

「…紅茶じゃ駄目ですか?」
「え?」
「無理にコーヒーを飲めるようになる必要はありません。そのままの貴女で、紅茶から、始めませんか」

少し視界が滲む。
君は、このままの私を好きでいてくれていたのね。

週末、一緒にミルクティーでも飲みに行きましょう。
私、もうコーヒーは飲まなくてもいいんだわ。

飲めない私も私なんだから。
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公開:25/05/15 21:00

A87(あやせ)

短いお話が好きです
幸せだけでは無いお話が好きです

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