矢印は左右に揺れた

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素敵な結婚式ね。
学生時代からだったんでしょ?
ずっと幸せそうだったもんね。

飛んでくる言葉ひとつひとつを咀嚼して飲み込む。親友だった、これから先も親友だ。

高校生の時に紹介された。
傷つけられたら、すぐにでも別れろと言うつもりだった。しかし親友はとても大切に大切に、宝物のように愛されていた。

そして今日、親友はあの人だけのものになる。

「来てくれてありがとう」
「親友だもん」
「私も嬉しい!」

彼女は私という存在を受け入れ、私も彼女が好きになっていった。そう、彼女もまた私の親友だったのだ。

この感情はどちらに向けたものなのか、私ですら酷く曖昧だった。間違いないのは、墓までもっていく秘密であるということだけ。
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公開:25/05/08 21:00
更新:25/05/09 12:03
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A87(あやせ)

短いお話が好きです
幸せだけでは無いお話が好きです

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