私はそこにミルクを入れる

ブラックコーヒーは苦手だ。
胃が痛くなるし、苦いだけで美味しくない。貴方はそんな私を子どもだなぁと笑っていたっけ。

「もう26になったよ」

いなくなって3年。
ねぇ、私もう貴方の年齢に追いついちゃったよ。
思い出の公園は変わらない、貴方も変わらないのに。私だけが目まぐるしい日常を走っているんだよ。忘れたくなんかないのに。ふとした時、少し低い声を、匂いを忘れてしまいそうになるの。

「やっぱり、苦い」

毎年この日に挑戦するブラックコーヒー。
やっぱり今年もおいしく飲めそうにない。克服出来たら、私は前を向けると思うのに。また貴方を好きでいる1年が始まるのだ。