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合宿初日。わたしを含めた新入生は山道を散々走らされてくたくたで、部屋に布団を敷き詰めるとすぐ寝てしまった。
深夜二時。疲れすぎていたためか、わたしは急に目が冴えた。といって身体を動かす気にはなれず天井を眺めていた。そこへ、ザコネガハラ という声が聞こえた。
「ザコネガハラ?」
そう呟いた途端、周りのみんなが一斉にビクッビクビクッと痙攣し始めた。うつろな目で口をパクパクさせ、両手と両足をまっすぐ突っ張ったまま。まるで死にかけの魚みたいだった。
わたしは布団を被って、朝まで震えていた。
翌朝、わたしは「筋肉痛」だとか「眠い」だとか言っているみんなに、昨夜のことを言い出せず、朝の点呼の時、先輩の一人にそっと聞いてみた。
「あの、夕べ、ザコネガ……」
すると先輩はすぐに両耳を手でふさぎ、見たことのない顔でわたしを睨みつけると、
「覚えていてはいけない」
と言って、走って行ってしまった。
深夜二時。疲れすぎていたためか、わたしは急に目が冴えた。といって身体を動かす気にはなれず天井を眺めていた。そこへ、ザコネガハラ という声が聞こえた。
「ザコネガハラ?」
そう呟いた途端、周りのみんなが一斉にビクッビクビクッと痙攣し始めた。うつろな目で口をパクパクさせ、両手と両足をまっすぐ突っ張ったまま。まるで死にかけの魚みたいだった。
わたしは布団を被って、朝まで震えていた。
翌朝、わたしは「筋肉痛」だとか「眠い」だとか言っているみんなに、昨夜のことを言い出せず、朝の点呼の時、先輩の一人にそっと聞いてみた。
「あの、夕べ、ザコネガ……」
すると先輩はすぐに両耳を手でふさぎ、見たことのない顔でわたしを睨みつけると、
「覚えていてはいけない」
と言って、走って行ってしまった。
ホラー
公開:25/05/03 20:09
更新:25/05/03 20:12
更新:25/05/03 20:12
雑魚寝原
新出既出です。
twitterアカウントでログインしておりましたが、2019年末から2020年年初まで、一時的に使えなくなったため、急遽アカウント登録をいたしました。過去作は削除してはおりませんので、トップページの検索窓で「新出既出」と検索していただければ幸いです。新出既出のほうもときおり確認したり、新作を挙げたりします。どちらも何卒よろしくお願いいたします。
自己紹介:「不思議」なことが好きです。
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