ハコまるとワクワクの花

ルリは、空から落ちてきた小さな箱を見つけた。ふたを開けると、中にちょこんと座っていたのは…猫？じゃなくて、「ハコまる」と名乗る不思議な生き物だった。

「ぼくは、なくした気持ちを見つけるのが仕事なんだにゃ」
ハコまるは、ルリのほっぺにぴとっと手をあてると、ちいさな音が聞こえた。

「これ、ルリの“わすれちゃったワクワク”だにゃ」
そう言って、ハコまるは小さな花を咲かせた。その花は、ルリの目の中でキラキラゆれていた。

「また来るにゃ！」
箱に飛びこむと、ハコまるは風に乗っていなくなった。

ルリは思った。
「私も、誰かのなくしたものを見つけられたらいいな」