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私は、連日の激務をこなし、忙しない日々を送っていた。
ある日、仕事の段取りを考えながら疲れた顔で帰路についていると、少し後ろからついてくる足音が聞こえた。振り返る。
男の胸くらいの高さに、見覚えのある紙束が浮いていた。私が職場に置いてきた書類だ。
その下の路面には人の足跡だけが浮かび上がり、こちらに近づいてきている。
恐怖を感じて走ると、足跡が追走してきて「シゴト終わってないよお」と、声帯も無いのに野太い声で叫んできた。
私は悲鳴を上げ全速力で逃げた。息も絶え絶えに自宅に着くと、気付けば足跡は無くなっていた。
その日から、会社からの帰路では何をどうしてもそれが現れるようになり、またそれは私しか見えなかった。
やがて私は限界を迎え、程なくして仕事を退職した。
それから家族や友人の支えで時間をかけ回復し、最近再就職しようやく働けるようにまでなった。
今のところ、足跡は現れていない。
ある日、仕事の段取りを考えながら疲れた顔で帰路についていると、少し後ろからついてくる足音が聞こえた。振り返る。
男の胸くらいの高さに、見覚えのある紙束が浮いていた。私が職場に置いてきた書類だ。
その下の路面には人の足跡だけが浮かび上がり、こちらに近づいてきている。
恐怖を感じて走ると、足跡が追走してきて「シゴト終わってないよお」と、声帯も無いのに野太い声で叫んできた。
私は悲鳴を上げ全速力で逃げた。息も絶え絶えに自宅に着くと、気付けば足跡は無くなっていた。
その日から、会社からの帰路では何をどうしてもそれが現れるようになり、またそれは私しか見えなかった。
やがて私は限界を迎え、程なくして仕事を退職した。
それから家族や友人の支えで時間をかけ回復し、最近再就職しようやく働けるようにまでなった。
今のところ、足跡は現れていない。
ホラー
公開:25/05/02 22:57
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