笑い声
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テレビ番組の制作会社に勤めるその男は、ずっと「死にたい」と考えていた。ある夜中、彼は、一人会社に残り、バラエティー番組の編集をしていた。その編集作業で、笑い声の効果音を入れている時、彼はふと思い立ち、「死にたい」と口に出してつぶやいた後、笑い声の効果音を大音量で流した。『わはははは!』「死にたい」『わはははは!』「死にたい」『わはははは!』「死にたい」『わはははは!』それを繰り返しているうちに、彼の心は軽くなっていった。彼は涙を拭った。彼が編集したそのバラエティー番組は、笑い声が多すぎるとして、不評だったそうだ。
ホラー
公開:25/05/02 19:12
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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