近所の神社にて

近所の神社で友達とかくれんぼしていて、神社の床下に隠れていると手のひらサイズの穴を見つけた。
穴からは時折、風が吹きあがる。どこかに繋がっているのかな？
「おーい」
何度か呼びかけてみるも反応はない。
近くにあった石を穴に落としてみた。…何の反応もない。
ふと、星新一の「おーいでてこーい」を思い出した。その結末を知っているが故、怖くなって床下から逃げ出した。
「恵、みーっけ！」
運悪く鬼役の勝に見つかってしまった…
勝が何度か咳き込む。むせてしまったようだ。
ごほっ！と大きく咳払いする勝。口から石が飛び出した。
その石には見覚えがある。私がさっき、穴に落とした石だ。
勝は自分の口から石が飛び出した事に気が付いていない。
それどころか、喉につっかえたものが取れたみたくすっきりした顔をしている。
「おーい」
かくれんぼを再開した勝が隠れている友達に呼びかける。
勝は女の子の…私の声をしていた。