夢時計

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放課後、リオは街を歩いていると、古びた時計屋を見つけた。店内にはアンティークの時計が並び、店主は「これは夢時計だよ」と言って、古い時計を差し出した。夢時計は過去や未来を見る力を持っているという。

リオは興味本位でそれを手に取ると、突然、過去に戻ってしまった。あの日、失敗した入学式の日。リオは後悔を消そうと、その場面を変えようとするが、気づけばその小さな変化が未来を大きく変えてしまっていた。

焦るリオは次に未来に行き、成功している自分を見た。だが、そこには孤独や後悔があり、成功の裏には犠牲があった。リオは次第に、過去も未来も変えられないことに気づき、「今」が一番大切だと実感する。

ある日、リオは夢時計を持ち、静かに決意を固めた。「もうこれは使わない」と、時計を店主に返すと、時計は静かに輝き、次の誰かの手に渡っていった。

リオは晴れた空を見上げ、今を大切に生きる決意を胸に抱いた
ファンタジー
公開:25/04/29 12:44

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