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リクは古びた本棚の奥で、小さなドアを見つけた。 真ん中には、ぽつんと鍵穴があいている。 なんとなく覗きこんだ、その瞬間――
きらきら光る海の中、宝石みたいな魚たちが泳いでいた。 また別の日に覗くと、おもちゃたちが町を作ってパレードしていた。 空を飛ぶ森、雲の上の市、砂時計だけで動く街…… 鍵穴のむこうには、知らない世界がいくつも広がっていた。
リクは、何度も覗いては、そっと夢をもらった。 だけどある日、ふと気づく。 どの世界にも、リクによく似た小さな誰かがいるのだ。
(ぼくの心のなかに、こんな世界があるのかもしれない)
リクは静かにドアに手をふれた。
鍵穴のむこうは、まだ見ぬ冒険でいっぱいだ。
きらきら光る海の中、宝石みたいな魚たちが泳いでいた。 また別の日に覗くと、おもちゃたちが町を作ってパレードしていた。 空を飛ぶ森、雲の上の市、砂時計だけで動く街…… 鍵穴のむこうには、知らない世界がいくつも広がっていた。
リクは、何度も覗いては、そっと夢をもらった。 だけどある日、ふと気づく。 どの世界にも、リクによく似た小さな誰かがいるのだ。
(ぼくの心のなかに、こんな世界があるのかもしれない)
リクは静かにドアに手をふれた。
鍵穴のむこうは、まだ見ぬ冒険でいっぱいだ。
ファンタジー
公開:25/04/29 12:22
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