0
3
スーパーへ買い物に行くと、『幸せになる権利』の実演販売をしていた。
真っ白なヒゲを首に巻いたご老体は、机の上になにも置かれていないのに見事な口上で人々を魅了している。
しかし自らを御年八百歳だと語ったところで急に胡散臭くなり、人だかりはあっという間に解散してしまった。
俺はからかい半分でたずねた。
「じいさん、試しに十円で買ってやるがどうだい?」
「値段相応になるがいいかの?」
「もちろんだよ」
ご老体はおもむろに筆をとり、俺の手のひらになんらかのまじないを書きつけた。
「少しだけ得するようサービスしておいたからな」
「おぅ、サンキュ」
そんなやり取りから五分後、自転車で帰宅しようとしたら百円玉を拾った。
急いで店のなかに戻ったが、もうご老体の姿はなかった。
真っ白なヒゲを首に巻いたご老体は、机の上になにも置かれていないのに見事な口上で人々を魅了している。
しかし自らを御年八百歳だと語ったところで急に胡散臭くなり、人だかりはあっという間に解散してしまった。
俺はからかい半分でたずねた。
「じいさん、試しに十円で買ってやるがどうだい?」
「値段相応になるがいいかの?」
「もちろんだよ」
ご老体はおもむろに筆をとり、俺の手のひらになんらかのまじないを書きつけた。
「少しだけ得するようサービスしておいたからな」
「おぅ、サンキュ」
そんなやり取りから五分後、自転車で帰宅しようとしたら百円玉を拾った。
急いで店のなかに戻ったが、もうご老体の姿はなかった。
その他
公開:25/04/30 21:40
更新:25/04/30 22:04
更新:25/04/30 22:04
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます