近所の神社にて

「ねぇ、一緒に遊ぼうよ」
その声に誘われ、幼い私は神社の社の扉を開けてしまった。
そこにいたのは子どもの姿をした神様。ここに百年以上、住んでいるという。
「僕は悪い神様だからね。ここに封印されているのさ」
その証拠に神様が外に出ようとするとバチッ！と電気が走る音が聞こえた。
「ほらね」と笑う神様は少し寂しそうだった。だから私は神様と遊んだ。
神様は折紙が得意で、私に沢山教えてくれた。
私は携帯ゲーム機を持ってきて、神様と沢山に遊んだ。
一緒の時を過ごせば過ごす程、悪い神様には思えない。
「僕を外に出してくれるの？なら、あのお札を剥がしてくれないか？」
神様は社の柱に貼られたお札を指さす。私は素直にそれを剥がした。
「ありがとう…これでまた人を食い殺せる！」
恐ろしい姿へと変化した神様を見て、私は柱に新しいお札を貼る。
残念だけど、神様に反省の色は見られなかったのであと千年程封印を追加した。