船に乗って、どこまでも

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お風呂の中は、ぼくらの大海原。
小さな船をぷかぷかうかべて、ぼくは大航海に出発した。

お父さんがタオルでつくったクラゲたちが、ふわふわ舞い踊る。
アヒル隊長はピーっと先に立って、船を導いてくれる。
お風呂の壁には、指で書いた宝の地図。大きな×印は、きっと宝のありかだ。

シャワーの水が、ざあっとふってきた。「大変だ!嵐だ!」
ぼくは船をかかえて、急いで壁の方へにげた。
その途中、タオルクラゲたちも、くるくる踊りながら流れていった。

ちゃぷちゃぷ、ざぶざぶ、お風呂中がぼくの世界。
どこまででも行ける、ぼくだけの冒険。

──つぎは、どこに行こう?
その他
公開:25/04/28 22:00

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