騒がしい書斎
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夫の趣味は読書。家を建てるとき書斎が欲しいと言った夫に反対しなかった。子に恵まれなかった私たち。寂しさはあったがその分貯蓄できた。ローンを組まず家を建てたのは、他の家や夫の実家に対し鼻が高かった。それがこんな事になるなんて。
家事を終えソファでテレビを見ていると、二階からか細く赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。書斎のドアを開けると夫が私を見た。床一面に本が積み重なっていた。部屋に来た私にホッとしている夫の態度が腹立たしい。
「私をアテにしないでよ!」
と、怒鳴ると夫のすぐ足元にある本がブルブルと震え始める。私は持ってきた哺乳瓶を夫に握らせ両手で耳を塞ぐ。同時に大音量の泣き声が家全体に満ちた。床の本たちが一斉に泣き始めたのだ。
書斎なんか作らせなきゃ良かった。夫は書斎で一人きりなのをよい事に、本の登場人物たちと節操なく不倫していた。その結果がこれ。おかげでうちは本だらけ。あぁ忌々しい。
家事を終えソファでテレビを見ていると、二階からか細く赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。書斎のドアを開けると夫が私を見た。床一面に本が積み重なっていた。部屋に来た私にホッとしている夫の態度が腹立たしい。
「私をアテにしないでよ!」
と、怒鳴ると夫のすぐ足元にある本がブルブルと震え始める。私は持ってきた哺乳瓶を夫に握らせ両手で耳を塞ぐ。同時に大音量の泣き声が家全体に満ちた。床の本たちが一斉に泣き始めたのだ。
書斎なんか作らせなきゃ良かった。夫は書斎で一人きりなのをよい事に、本の登場人物たちと節操なく不倫していた。その結果がこれ。おかげでうちは本だらけ。あぁ忌々しい。
ファンタジー
公開:25/04/25 08:41
更新:25/04/25 08:41
更新:25/04/25 08:41
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