お客様は神様なので
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旅行中、友人とはぐれた僕は小さな店を見つけた。扇子や平安貴族が被る帽子みたいなのが飾ってあるかと思えば、スマホやお菓子、お酒なんかも置いてあって、何の店なのかイマイチよくわからない。せっかくなので、中に入ってみることにした。店内に人はおらず、レジには猫が一匹寝そべっているだけだった。不用心だと思いつつ店内を見ていると、美味そうなお菓子とその試食を見つけた。一つもらってみよう、と手を伸ばした時、誰も居ないはずのレジから声が聞こえた。
「坊主、それは客のもんだ。アンタは食っちゃいけねぇ」
「ああ、お前さん迷い込んだのか。なら、早いとこ帰してやるとするか」
僕が固まっていると突然店内に風が吹いて、気付けば僕は駅にいた。手の中には猫の形のお守りを握って。何となく、あそこは僕が行ってもいい店じゃなかったんだろうと思った僕は、スマホで友人達に連絡を取るのだった。
「坊主、それは客のもんだ。アンタは食っちゃいけねぇ」
「ああ、お前さん迷い込んだのか。なら、早いとこ帰してやるとするか」
僕が固まっていると突然店内に風が吹いて、気付けば僕は駅にいた。手の中には猫の形のお守りを握って。何となく、あそこは僕が行ってもいい店じゃなかったんだろうと思った僕は、スマホで友人達に連絡を取るのだった。
その他
公開:25/04/23 07:32
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