近所の神社にて

0
3

祖母は生前、毎日近所の神社に通っては戦争で亡くなった祖父が帰ってきますようにと”ごきがん”を続けていた。
祖母はボケているわけではない。祖父の死だってしっかり理解している。
「私は別に神様にお祈りしているわけじゃない。ただ、あの人が違う姿になってもここに帰って来れますようにと願っているだけだ」
祖母の言うごきがんは”祈”ではなく”帰”を使っての御帰願。
「とはいえ、私もあの人が害虫の姿で現れたらきっと退治してしまうからね。その時は申し訳ないけど、また生まれ変わって帰って来てくれと願っているんだ」
一口に御帰願と言っても意味はいくつかあるようだ。
「それに私にもしもがあった時、すぐそばにあの人がいてくれたら安心して逝けそうだからね」
そう話す祖母の顔はいつも穏やかだった。
そんな祖母が亡くなって数年経つ。
祖母がいないだけでなく、祖父も帰って来なくなったからか、随分と寂しくなったのを感じる。
公開:25/04/22 21:08
御帰願(ごきがん)

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
そのIDも凍結されてしまったので旧アカウントには手出しができない状態です。
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…2年経過で、ただただ失望した…

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容