斧が運命

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商人がうっかり、湖に斧を落としてしまった。すると女神が現れて…
「貴方の落とした斧は金の斧?銀の斧?」
「金です!」
「欲出してんじゃないわよ」
そう言って女神は、銀の斧を置いていった。

「これがその斧です」
「素晴らしいね!!」
物好きな貴族が買っていったが、それから浪費に拍車がかかり、あっという間に破産した。

『欲出してんじゃないわよ』

どこからか声が聞こえた。

元貴族は途方に暮れながら、ある豪邸で働くことが決まった。
主人に挨拶に行くと、何と、銀の斧を売っていた、あの商人だった。

「あなたでしたか…」

主人である商人も唖然とした。が、すぐににっこりして、

「あの斧を買って頂いたおかげで、元手ができて商売が上手くいきました」

恩返しがしたいと、元貴族を快く受け入れた。二人は終生の友となったそうな。
ファンタジー
公開:25/04/22 18:45

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