食事夢日記

いつも同じ夢を見る。白い服を着て、数字の付いた袋で顔を覆われた人物の夢を。この夢を見始めたのは、10年前、施設に来た時からだ。

「お前は誰だ？」と聞いても、人物は答えず、大体は指で顔を覆う袋の番号を指差すのだ。が、偶に「2月5日」とか意味ありげな日にちを言う。

ある夜、質問を変えてみた。

「その番号はなんだ？」

人物が言った。「明日分かる」俺は焦り「待て何の話だ？ お前は何なんだよ？」と肩を掴むソイツは不気味に笑い「これからはお前も、誰かの夢の住人だ」とだけ言い放った。

目が覚めると、施設で働いてるロボットが隣にいた。

「その白い服を着て、袋を顔に被れ、お前は899番だ」理解ができず、「どう言う事だ？」と口が動く。

「親も酷いよな」
「何故？」
「永遠の金と引き換えにーー」

その後の言葉に耳を疑い、あの夢が脳裏に過った瞬間、口を押さえた。

「彼らは僕が食べた肉だったのか」