近所の神社にて

日々の喧騒から離れたくてキャンプ場に訪れた私は、なるべく人のいないところを捜し求め山の奥へと進んでいく。
３０分ほど歩くと一人キャンプをするのにいい場所を見つけた。そこにテントを建てていると、すぐ近くに小さな神社がある事に気付く。
ここで出会ったのも何かの縁だ。お供え物を置き、短い間だがご近所付き合いをお願いする。
その晩は焚火を見つめ、簡単な食事を取ると自然の声を耳に早めに寝る。
だが１時間もしない内に、テントの外で誰かが言い争うような声に目を覚ます。一体なんだ？
警戒するも声は遠のいていく。ホッとして再び眠りについた。

翌朝、外に出て驚いた。テントの周囲にはクマと思わしき足跡がたくさん残されていた。
恐怖を感じた私は急いで山を下りる。キャンプ場の管理者が私を見て驚いていた。
「お前さん、あの立ち入り禁止区域で一晩を過ごしたのか？無事に戻って来られたって事は山の神様に守られた証拠だな」