嘘の代償

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Yの趣味は、ソーシャルメディアへの投稿だ。
だがしかし、日常の投稿はあまり反応を得られなくなっていた。
Yは嘘を投稿する事にした。
架空の親友「Z」――長髪、左耳にピアス、右の目尻に泣きぼくろがある男との話は、何万もの反応を集めた。
すべてYの創作だった。

ある夜、Yの家のインターホンが鳴った。
玄関モニターには、Zとそっくりな男が映っていた。
Yは震えながら尋ねた。
「どちら様ですか?」
男は笑いながら、答えた。
「俺だよ、Z。」

すると、Yの手は勝手に鍵を開けた。
Zは素早く侵入し、Yの前に立った。手にはナイフが光っていた。
Zは言った。
「お前が俺を創った。最後の投稿は俺が書く。」
Yの胸にナイフが突き立てられた。

翌朝、Yのアカウントに投稿があった。
「Yとの最後の夜、最高だった。」

そして、二度と投稿は無かった。
ホラー
公開:25/04/19 11:58
更新:25/04/19 12:14

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
学生時代からのショートショート好きが高じて、2025年4月から自分でも書き始めました。
SF作品を書く事が多いですが、幅広く色々なジャンルの作品を書いていきたいと思っております。
よろしくお願い致します。
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