幸せな僕

僕は幸せ者だ。
産まれたばかりの僕をお世話してくれる人がたくさんいて、毎日美味しいご飯がお腹いっぱい食べられる。
晴れた日には一日中お外で遊んで、またお腹いっぱいご飯を食べて、暗くなったら眠るんだ。
僕のお世話をする人は大変だ。毎日毎日、ご飯を用意して、僕に怪我や病気が無いように気を張ってる。ああ、お世話する人に産まれなくて良かった。
やっぱり僕は幸せ者だ。
なんてったって、今日は楽しみにしてた旅行の日なんだ。同い年の子たちと一緒に大きな乗り物に乗り込んで、ママに行ってきます！と鳴いた。



「今年の仔牛達は、みんな健康で肉付きも良いよ」
「元気も良さそうだ。こりゃあ良い値段になるな」