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男は考古学者であった。

過去の人類が残した遺物から、その歴史や文化を紐解く事がこの男の生業である。

今日も男はとある辺境の地に赴き、かつて栄華を極めた都市の遺跡で発掘調査をしていた。
発掘というとまるで宝探しのようだが、実際には、あるのかも分からない探し物を探し続ける、気の遠くなるような作業の繰り返しである。

しかしながら、幸運にも男は探し物を探し当てる事ができた。

それは、今にも崩れそうな古ぼけた書物であった。

書物を手にとり、男は叫んだ。
「俺たち以前にも、この星にたどり着いた人類がいたんだ!これは、その証拠だ!」

男が手にした書物の背には、かつて「地球」と呼ばれたこの星で広く使われ、男の星では解読できない言語でこう書かれていた。

『COMIC BOOK』
SF
公開:25/04/14 22:43
更新:25/04/18 18:48

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