癒やしと火災

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愛子は言う。「私を怒らせるな。」

真は言う。「いつも、怒っているよね。」

燃えたぎる炎は全てを焼き尽くす。
善人も悪人も容赦なく燃やす。

成長を本人が望むなら、それは互いにとって意味のあること。

一方の火が消えてるのに、一方が燃え続けるのなら、意味はない。

真は言う。「あなたが、優しいのは知っている。」

愛子は言う。「私のことを全て知っているような口ぶりね。」

癒やしは良薬にも悪薬にもなる。
要所で使うなら、良い方向に向かう。
治っているのに使い続けると体を壊す。

愛子は言う。「次の給料日はいつ?」

真は言う。「15日。」

癒やしを与え続けると、人はそれを待ち望む。
期待に応えたいプレッシャーが、歯車を狂わす。

癒やしと火災は同じもの。
与え続けても、焼き尽くしても、全てを駄目にする。

だから、距離感が大事。

何事も程々に。
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公開:25/04/17 17:00

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