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近所の家に泥棒に入り、金目のものを盗んで売り飛ばした。結構いい金になったが、その日の晩から悪夢にうなされるようになってしまった。
しばし悩んだものの、こんな時の『善意銀行』ではないかと思い出した。善意銀行には、こどものころから善行の積み立てをしている。嫌々差し伸べてきた助けの手だったが、地道に貯めてきたのがようやく役に立つのだ。俺は意気揚々と銀座本店の窓口を訪ねた。
「いらっしゃいませ。本日は悪夢帳消し用のお引き出しでよろしいですか?」
係員は俺が使用目的欄に記入した内容を確認してから視線をあげる。
「はい。もう何日もまともに眠れていないので」と答えた俺のうしろから、知らない男の声で名前を呼ばれた。振り向くと、数人の警察官が立っていた。
悪夢ではなく泥棒に入った事実を帳消しにすべきだったのだと気づいたがもう手遅れだ。俺は観念して任意同行にしたがった。
しばし悩んだものの、こんな時の『善意銀行』ではないかと思い出した。善意銀行には、こどものころから善行の積み立てをしている。嫌々差し伸べてきた助けの手だったが、地道に貯めてきたのがようやく役に立つのだ。俺は意気揚々と銀座本店の窓口を訪ねた。
「いらっしゃいませ。本日は悪夢帳消し用のお引き出しでよろしいですか?」
係員は俺が使用目的欄に記入した内容を確認してから視線をあげる。
「はい。もう何日もまともに眠れていないので」と答えた俺のうしろから、知らない男の声で名前を呼ばれた。振り向くと、数人の警察官が立っていた。
悪夢ではなく泥棒に入った事実を帳消しにすべきだったのだと気づいたがもう手遅れだ。俺は観念して任意同行にしたがった。
ミステリー・推理
公開:25/04/17 08:14
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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