近所の神社にて

私は幼少期、近所の神社で神様と一緒に過ごす時間が長かった。
両親は共働きでなかなか帰ってこない。家に一人でいてもつまらないからと外に出た時、神様に呼び止められた。
神様は両親に代わって、私と一緒の時間を過ごしてくれた。勉強を教えてくれたし、ご飯だって一緒に食べてくれた。
神社に泊まる事だって多かった。
そんな時、神様は私の家に私の偽物を送り込んだ。
チェンジリング。取り替え子とも呼ばれるそれに両親な気付いていなかった。
私は取り替え子とも仲が良かった。神様に許可を貰って、二人で私の家で遊ぶ事だってあった。
取り替え子と一緒の布団で良く寝た。
そんな私達を見て、両親は驚いた。でも、私も取り替え子も愛してくれた。
両親は神様にお願いし、取り替え子も我が家へと迎え入れた。
この日、私は双子になった。
私達は両親の子どもであり、神様の子どもでもある。
近所の神社は私達にとってもう一つの実家である。