0
1
20××年、おそろしいことが起こった
おとぎ話が全滅したのだ
活字が消えると同時に、人々の記憶もあいまいになった
「白雪、姫? 人の名前?」
「かちかち山……。富士山の隣だっけ」
これは由々しき事態だ、とまっちょネコは思った
まっちょネコは筋トレ好きで永遠の命をもつ猫又である
おとぎ話ならすべて頭にいれている
まっちょネコは『おとぎ話診療所』を開設した
「次の方」
まっちょネコが呼ぶと女の子がシンデレラの本を抱えて診察室に入ってきた
「シンデレラの物語がしりたいの」
「昔むかし」
「まって」女の子が話を遮る
「残酷なお話?」
「原典はね。でも大丈夫。ぼくが伝えるのは悠久のときに研磨された完璧なものだから」
安心したように女の子が頷く
「こうして王子様とシンデレラは結婚し、筋トレしてまっちょになりました。めでたしめでたし」
「ん?」
「いい話だ」
まっちょネコは満足そうに笑った
おとぎ話が全滅したのだ
活字が消えると同時に、人々の記憶もあいまいになった
「白雪、姫? 人の名前?」
「かちかち山……。富士山の隣だっけ」
これは由々しき事態だ、とまっちょネコは思った
まっちょネコは筋トレ好きで永遠の命をもつ猫又である
おとぎ話ならすべて頭にいれている
まっちょネコは『おとぎ話診療所』を開設した
「次の方」
まっちょネコが呼ぶと女の子がシンデレラの本を抱えて診察室に入ってきた
「シンデレラの物語がしりたいの」
「昔むかし」
「まって」女の子が話を遮る
「残酷なお話?」
「原典はね。でも大丈夫。ぼくが伝えるのは悠久のときに研磨された完璧なものだから」
安心したように女の子が頷く
「こうして王子様とシンデレラは結婚し、筋トレしてまっちょになりました。めでたしめでたし」
「ん?」
「いい話だ」
まっちょネコは満足そうに笑った
ファンタジー
公開:25/04/08 20:01
月斗です。
まっちょショートショートを書きます。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます