似ている

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 真夜中、タクシーに一人の男が乗り込む。
「海まで」
 男は運転手に告げる。
 運転手はミラーで男の顔を見る。何かに似ている。
「お客さん、こんな真夜中にどうして海まで?」
 運転手は気安い感じで尋ねる。
「お袋に会いにね」
 男は答える。その瞬間、運転手は気づく。
 ああ、そうだ、この男の顔は、鯨に似ているんだ。
ファンタジー
公開:25/04/01 23:11

六井象

短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/

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