チョコの木

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いつもの帰り道、おばあちゃんがひとり、荷物が歩道の植え込みに引っかかって困っていた。通りすがりにとってあげたら、おばあちゃんは喜んで「これをあげよう」とチョコレートを一粒くれた。「中に魔法の種が入ってる」
ポカンとしているうちにおばあちゃんは行ってしまった。そのチョコを食べると中のタネを出して眺めた。「まさかね」と思いつつ庭の片隅に種を埋めた。すると翌日には芽が出た。その次の日には木が伸びて枝をはり、そのまた次の日には白い花がいくつも咲いた。そのまた翌日には茶色い実がたくさん。実をもいでパカッと開けてみたら…中から出てきたのは美味しそうなチョコレートだった。「ほんとうに魔法の種だったのか」もしかすると…と、そのチョコを食べて中から出てきた種をまた埋めた。でも今度は待てど暮らせど芽は出てこなかった。なぜあの時だけだったのか知りたい。誰かあのおばあちゃん知りませんか。
公開:25/03/28 10:25
更新:25/03/28 10:26

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