別れの季節

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冷たい床に座ってひとり、私は口を開く。

「4年間本当にありがとう。」

返事はこないって分かってるけど、ただ伝えたかった。

「急に出ていくことになってごめんね。

あと狭いとか言ってごめん。」

声が思ったより響いてびっくりする。ついこの前まで全くそんなこと感じなかったのに。

「ずっと私のこと見守ってくれてありがとう。また絶対会いにくるからね。」

この4年間、いろんなことがあったなぁ。
そしてあなたは私の全てを知っているね。多分、両親よりも、そして彼氏よりも。笑

冷たい床を指で撫でた。

そろそろ行かなきゃ。

「次はちゃんと掃除してくれる人に住んでもらいなよ!」


・・・・・・・


「鍵、お返しします。」

「あー、はいはい。ありがとうございます。」



「ここに住めてよかったです。本当にいい家でした。ありがとうございました。」
青春
公開:25/03/27 22:40
更新:25/03/30 10:29

肩幅広重( 限界集落 )

閲覧ありがとうございます。
初の試み

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