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また悪態をつかれない夢を見た。

雑な扱いをされることが罪滅ぼしになると分かっていて、彼女は僕との最後の時間を親切に接したのだろう。

彼女の思惑通り、いまだに夢に見る。

その日は、綺麗な夜空だった。
僕の誕生日にレストランに招待してくれた。
あくまでエスコートされる側だった。

食事も終盤。
「私たち、もう2年ね。」
胸騒ぎがした。
またいつものか、と咄嗟に嫌な顔をしてしまった。
「結婚とかじゃないよ。ただ確認しただけ。」
そういって彼女は微笑んだ。
綺麗な顔なのに、左右非対称に見えた。

そのあとは平穏に食事が終わった。

そして、当たり前かのように一夜を共にした。

朝起きると、彼女は小さな紙切れに変わっていた。

ベタを嫌う彼女にしては珍しいと思った。

「今までありがとう。さようなら」

そうして彼女は僕へタトゥーを彫った。

サブカル好きな彼女らしいと、今でも想っている。
公開:25/03/31 20:26

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