手紙

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「なんだこれ…」
金曜日の放課後、靴箱に手紙が入っていた。
ラブレターかとドキドキしながら開けると、そこには暗号のような意味不明なものが並んでいた。
「壮馬?どうかしたの?」
幼馴染の栞が顔を覗き込んでくる。
「…なんでもないよ。帰ろ。」
「ふーん。そっか…」
こんなやり取りをしながら、家に帰る。
どこかテンションの低い栞と、どこかテンションの高い俺。
その理由を俺は知っているが、あえて口には出さない。
「…なぁ、明日、暇?」
「暇、だけど…?」
「じゃあ、出かけよーぜ。」
「っ!うん!」
出かける約束をすると、分かりやすくテンションが上がった栞に、笑みがこぼれた。
「じゃあ、また明日」
「またね!」
分かれ道につき、それぞれの家に帰る。
あの手紙を見たときに、誰からの手紙か分かった。
そして、その内容も。
でも、あえて知らないふりをした。
まってろよ、明日告白するから。
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公開:25/03/29 23:54
更新:25/03/30 09:10
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