陽だまりを聴く

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「ダジャレじゃなくてさ、文字で表すとサンサンなんだよね、太陽の音って」

蒸した教室の窓を開け放ちながら、思い出したように悠太が言った。

「そうなの?…ポコポコとかパチパチとか、そんな感じの音がしそうなイメージ」

机上を斜めに割って光る、蜂蜜色の陽だまりを指先でつつきながら私は笑った。

「聞いてみる?」

悠太がポケットから取り出したのは丸い練乳色の陶器の鈴だった。5両編成の赤い列車がワンポイントで描かれている。

「これ、陽鈴っていうんだ。太陽光に反応する。形は違うけど…風鈴の太陽版かな」

陽だまりへ漬けるように悠太が陽鈴をかざすと、乳白色だった鈴はみるみる空色に透き通っていき、雲の線路を赤い列車が音色とともに走りだした。

サンサーン…

砂が零れるのとも、葉が擦れ合うのとも違う、サンサンという温かで柔らかな音色。

「…ね?」

悠太の笑顔って、こんなに大人っぽかったっけ…?
青春
公開:25/03/25 12:00
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花笑みの旅人( 気の向くまま )

ページを開いてくださり、ありがとうございました♪

6月12日〜6月末まで勝手にチャレンジしていた毎日投稿を無事達成することができたので7月から夏休みに入りま〜す(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

ガーデンでは☆を押してくださったのがどなたかわからないシステムですが、そんな中☆を押してくださった方ありがとうございました!また、リアクション等されていなくとも作品を開き読んでくださった方がいらっしゃいましたとしたら、重ねて感謝申し上げます。貴重な時間を割いていただきありがとうございました!!

もちろん、いつも楽しいコメントをくれるあなたも心からありがとう♪
では、暫くばいばいぴょ〜ん!

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