おいしい話

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この会社の社長は、人を煽てては皆を低賃金で働かせていた。君のアイデアは素晴らしいとか、君が頑張ってくれているお陰で、皆も一生懸命に働いてくれるから会社は発展しているとか、皆が嬉しくなる言葉を一人ひとりに声を掛けていた。
勿論この会社は発展していたが、社長だけが裕福で社員は皆貧乏であった。
皆は騙されているとは気付かず、逆に社長は良い人だと勘違いして懸命に働いていた。

社長の家の料理人はとても美味しい料理を作っていた。社長は君は一流シェフになれるよ、もっと良いホテルを紹介してあげるからねと言っていたが、余りにも返事が無いので、彼は社長が嘘をついているのに気が付いた。もう嘘をつけなくしてやろう!彼は毎日もっと美味しい料理を作り続けた。

遂に社長は嘘をつけなくなった。彼の作った料理は舌がとろける程の美味しさだった。
彼はスカウトされ一流シェフとなった。
ファンタジー
公開:25/03/26 09:32

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