毎朝戦争

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ジリリリ、と目覚まし時計が鳴り響く。
それが開戦の合図だ。
銃声のように響く目覚まし時計を止めて、ほっと息をついてもつかの間。
「いつまで寝てるのー!早く起きなさいー!!!!」
まるで大砲のような母の声。一発、二発は布団を被り耐えるものの、次第にドスドスドスドスと地響きが鳴り始める。
「早く起きなさいって言ってんでしょ!!!」
部屋のドアを打ち破り、軍艦が飛び込んで来た。ここまで来たらもう逃げられない。けれど、身体はまだ抵抗を試みる。更に布団の中に潜り込み、轟音と、衝撃を和らげようとする。
が、強大な軍艦は簡単に布団を剥ぎ取った。
「いい加減起きなさい!!!また遅刻するわよ!!!」
これ以上の抵抗は無意味だと悟り、僕は降伏する。抵抗の意志が無いことを確認した軍艦は、地響きを鳴らしながら部屋を後にした。
「…朝ごはん、食べに行こう…」
いやはや、朝から満身創痍である。
その他
公開:25/03/17 07:43

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