人魚の肉

近所の浜辺に人魚が打ち上げられました。
酷く衰弱している人魚。とりあえず、水族館に連絡して保護してもらう事になりました。
そんな人魚を、とある大金持ちが１億で譲ってくれと言ってきました。
何でも、医者に余命１ヶ月と告げられたらしく、どうしても人魚の肉が欲しいのだとか…
館長はお金の問題じゃないと断りますが、大金持ちは館長を押しのけて人魚に近付きました。
閉じていた瞳を開く人魚。大金持ちを見て手を伸ばすや、その首筋に噛みつきました。
あっという間の出来事です。大金持ちは人魚に骨も残さずきれいに食べられてしまいました。
目の前で起こった事に呆然とする私達。突然、人魚がお腹を押さえ苦しみだしました。
何事かと急いで駆け寄るも人魚はぐったりとし、動かなくなりました。
食べたものが悪かったのでしょう。人魚の美しい肌は金持ちと同じ、脂ぎった汚い肉になっていました。
それを見て、誰もが食欲を失いました。