お花見ランウェイ

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職場の上司からお花見の場所取りを頼まれた。
「早く行ってベストポジションを取ってくれ、だって。めんどくさー」
同期のハヤトに愚痴ったところ、
「じゃあお花見ランウェイに行ったら?」
と、いいことを教えてくれた。きれいな桜が次から次へと歩いてくれるランウェイがあるらしい。面白そうなのですぐに予約した。

お花見当日、会社のメンバーとランウェイの周りに集まった。時間になると会場が暗転し、音楽と共に桜の木が現れる。
「おおっ!」「すごい」「めちゃくちゃきれい!」
興奮する同僚たち。颯爽と歩く桜の木はスーパーモデルのようで次元の違う美しさだった。きっと上司も大満足だろう。
「どうですか?きれいですよね!」
だけど自信満々で問いかけた俺の予想に反して上司の反応はいまいちだった。
「きれいだけど、なんかここの桜、幹が長くて花が遠くないか?」
俺は思わず言い返した。
「モデルはたいてい高身長ですよ」
公開:25/03/07 23:12

山吹橙子

山吹橙子(やまぶきとうこ)と申します。趣味で小説にチャレンジ中の平凡な会社員です。
楽しい話、ツッコミたくなる話が書けるよう日々精進しています。
ど素人のひよっこですがよろしくお願いします!

※コメント下手ゆえ、⭐︎の押し逃げをすることがあります。お許しください。

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