マウンティングゴリラ

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3頭のゴリラが食べ物の集め方を自慢しあっていた。

「俺は誰よりも早く走ることができる」
1頭のゴリラが目にもとまらぬ早さで走りだし、遠くの方から瑞々しい草を持って帰ってきた。

「私は誰よりも早く木を登ることができる」
1頭のゴリラが近くあった木に飛び掛かり、あっという間に木の頂上にいた大きい昆虫を取って帰ってきた。

「僕は誰よりも簡単に食べ物を集めることができる。こんな風に」
最後のゴリラは地面に寝っ転がり、両足を空に向けてあげ、ドラミングを始めた。普通のゴリラがするようなポコポコポコと連続して胸を叩くのではなく、ゆっくりと叩き始め、時には強く、何か歌うような音だった。

「なんだそれは。どうやって食べ物を・・・」
すると次々とリンゴ、バナナなど果物がゴリラに降り注いできた。
「何だこれは・・・」

「ねえ、パパ。あのゴリラ、流行ってる曲を演奏してるよ。もっとエサ投げてもいい?」
その他
公開:25/03/10 23:25

たかきだ ほむら( 夜と昼のあわいに )

べんきょうちゅう。

ショートショートガーデン コンテスト クラフトビールコンテスト 【ハーフパイント賞】

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