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村の中央にある大きな石のまわりで、年に一度のぱせりん祭が始まろうとしていた。
村の女たちは皆、ぱせりんの葉を模した緑色の仮面をつけ、焚き火のまわりを囲んでいる。
「ぱせりん、ぱせりん、ぱせりんりんっ!」
長老の大婆が号令をかけると、女たちは一斉に駆け出した。
夜明けまでにぱせりんの葉を見つけるためだ。
わたしは一人、森の奥までやってきた。
朝もやの中に淡い光が浮かんでいる。息をのんで近づくと、そこには一枚の葉がふわふわと漂っていた。
そっと手を伸ばした瞬間、葉がひらりと舞い地面に落ちた。
その下に、小さな赤ん坊がいた。
静かに目を開け、つぶらな瞳でこちらを見つめ返す。
わたしは赤ん坊を抱き上げ村へ駆け戻った。
「ぱせりんの葉が赤ん坊を運んできた!」
村人たちは歓声を上げた。
数十年ぶりに生まれた赤ん坊は村の希望となった。
わたしはその子の母として、新しい物語を紡いでいくのだ──。
村の女たちは皆、ぱせりんの葉を模した緑色の仮面をつけ、焚き火のまわりを囲んでいる。
「ぱせりん、ぱせりん、ぱせりんりんっ!」
長老の大婆が号令をかけると、女たちは一斉に駆け出した。
夜明けまでにぱせりんの葉を見つけるためだ。
わたしは一人、森の奥までやってきた。
朝もやの中に淡い光が浮かんでいる。息をのんで近づくと、そこには一枚の葉がふわふわと漂っていた。
そっと手を伸ばした瞬間、葉がひらりと舞い地面に落ちた。
その下に、小さな赤ん坊がいた。
静かに目を開け、つぶらな瞳でこちらを見つめ返す。
わたしは赤ん坊を抱き上げ村へ駆け戻った。
「ぱせりんの葉が赤ん坊を運んできた!」
村人たちは歓声を上げた。
数十年ぶりに生まれた赤ん坊は村の希望となった。
わたしはその子の母として、新しい物語を紡いでいくのだ──。
ファンタジー
公開:25/03/10 13:14
ぱせりん祭
もやもや祭
(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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