329. 輪になって。

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 モルモットの習性【目が悪い為、嗅覚を頼りに前の個体のお尻の匂いを嗅いで一列になって歩く──】を理解していた私は特にP子に目をかけていた。
 のんびりやの彼女はいつも列の最後尾で仲間たちの後ろを追いかけるばかりで、どんなに頑張っても先頭を行けなかった。そんな彼女にわたしはいつももやもやしていた。
 そこで私はT教授には内緒で、モルモットに特別な施術を施すことにした。
 その結果モルモットたちは尻の匂いではく、お互いの両脇の匂いクンクンと確認した後、驚くべき行動を取り始めた。
 P子を中心にし彼女を囲んでまるでプロペラのように、部屋じゅうをぐるぐると駆け回り始めたのだ。
 彼女の周りで仲間たちが円を描くように動く姿は、まるで歓喜のダンスのようだ。

「良かった!P子が輪の中心だよ!速度も思ったより出てるし、お蔭で私もこの夏は涼しく過ごせそうだわ」
ファンタジー
公開:25/03/09 22:23
更新:25/03/10 01:43
ぱせりん祭り もやもや祭り ぱせりんさんおめでとう!!

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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