視線感知ドレス

アパレルメーカーの開発部。
「部長、新素材を開発しました」
「何？」
「人の視線を感じる布です」
「特徴は？」
「視線に含まれるわずかな熱と圧力エネルギーを感知して、人が視ると色が変わります。普段は白ですが人に見つめられると赤色になります。見られるほど濃い赤になります」
「商品化できるかな」
「女性は人に見られるのが好きだし、視線を浴びた結果がわかると嬉しくなると思います」
そして白い視線感知ドレスが作られた。キャンペーンとしてドレスを着たモデルが原宿、渋谷をねり歩いた。SNS告知のせいで沢山の人がモデルを見に集まった。
「部長、大成功です。モデルが着たドレスはみるみる赤くなりました」
そして、
「部長、大変です。ドレスに穴が開いて燃え始めました。視線エネルギーが想定以上に強かったためです。モデルさんはドレスに穴が開いて炎を吹き出して泣いています。おかげでネットも炎上しています」