忘れるノート

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私は家に帰ると自分の服に、値札が付けっぱなしなことに気がついた。
「今日、会社で1日付けっぱなしだったってこと?恥ずかしー」
自分の顔が赤くなっているのを感じ、変な汗も体から吹き出てくる。

こんな時はと思い、あるノートを取り出す。忘れるノートだ。名前の通り、ノートに書いたことを忘れるといった代物だ。ただ、書いただけでは、後から見て思い出してしまう。そのため、書いたページを捨てる必要がある。
このノートでトラウマを思い出さなくなり、うつ病が改善された人もいるらしい。

私は値札を付けて恥ずかしい思いをした、忘れたいとノートに書いた。そして、書いたページを丸めてゴミ箱に捨てた。

次の日、私は出社していつも通り仕事をしていた。なんだか今日は、周りから視線を感じる。なぜだろう。
振り返ると上司が立っていて、気まずそうに私に声をかける。
「○○さん、また値札付いてるよ。今日で3回目」

ファンタジー
公開:25/03/05 15:23
更新:25/03/05 17:41

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