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隣町へ近道しようとトンネルを歩いて行くと、中間点辺りに一人くらいが通れる程の穴が空いている。穴を覗くと遠くに古民家が見えた。あそこへ行ってみよう。
着けばその古民家は、骨董店の様で江戸時代の物がずらりと並んでいる。店に入ると木綿の半天を着た店主が私に声を掛けてきた。
色々と揃っているでしょうと自慢し、奥の蔵にも在り必ずお気に入りが見つかる筈ですよ、と言いながら私を案内してくれた。
蔵の前には店主と同じ半天を着た者達が、藁を編んだ米俵の様な袋から器を丁寧に出しては拭いている。
今出来たばかりの新しい器に見え古い物を期待していた私は、少しばかりがっかりした。でも以前から欲しいと思っていた器でもあったので、まあ良いかと買うことにした。
和紙で包んでくれた器を袋に入れ、元来たトンネルの出口まで戻り振り返ると穴は無くなっていた。急いで家に帰り器を確認すると、随分古い江戸時代の名器に変わっていた。
着けばその古民家は、骨董店の様で江戸時代の物がずらりと並んでいる。店に入ると木綿の半天を着た店主が私に声を掛けてきた。
色々と揃っているでしょうと自慢し、奥の蔵にも在り必ずお気に入りが見つかる筈ですよ、と言いながら私を案内してくれた。
蔵の前には店主と同じ半天を着た者達が、藁を編んだ米俵の様な袋から器を丁寧に出しては拭いている。
今出来たばかりの新しい器に見え古い物を期待していた私は、少しばかりがっかりした。でも以前から欲しいと思っていた器でもあったので、まあ良いかと買うことにした。
和紙で包んでくれた器を袋に入れ、元来たトンネルの出口まで戻り振り返ると穴は無くなっていた。急いで家に帰り器を確認すると、随分古い江戸時代の名器に変わっていた。
ファンタジー
公開:25/03/05 06:28
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