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「ただいま〜!あーさむさむっ」
帰宅した彼女は震える手でコートをハンガーに掛ける。
「ケンちゃーーーん!!!」
来た。いつものアレ。
部屋に入ってすぐに彼女は全速力で僕に飛び付き何度も何度も頬ずりする。
スリスリスリスリ。
「んっはぁ〜〜〜♡」
「この毛ざわりがクセになる〜〜〜♡」
正直とても不快だ。
今はそんな事よりも・・・。
「ゴハン タベタイ」
僕はここぞとばかりに頑張って覚えた言葉を発する。
「えっ?」
「えっ?えっ?えっ?」
「ケンちゃん言葉話せるようになったの!?」
彼女は驚きの声を上げる。
「ヤダ!ケンちゃん天才っ!」
「待ってて!今作るからねっ♡」
「今日はケンちゃんのお喋り記念日よ〜〜〜♡」
部屋を出て行く彼女を尻目に窓を覗く。
そこから見える水色の外の世界。
僕は伸び切った髪をかき分け、その未知の世界を飛ぶ小さな鳥をただ羨んでいた。
帰宅した彼女は震える手でコートをハンガーに掛ける。
「ケンちゃーーーん!!!」
来た。いつものアレ。
部屋に入ってすぐに彼女は全速力で僕に飛び付き何度も何度も頬ずりする。
スリスリスリスリ。
「んっはぁ〜〜〜♡」
「この毛ざわりがクセになる〜〜〜♡」
正直とても不快だ。
今はそんな事よりも・・・。
「ゴハン タベタイ」
僕はここぞとばかりに頑張って覚えた言葉を発する。
「えっ?」
「えっ?えっ?えっ?」
「ケンちゃん言葉話せるようになったの!?」
彼女は驚きの声を上げる。
「ヤダ!ケンちゃん天才っ!」
「待ってて!今作るからねっ♡」
「今日はケンちゃんのお喋り記念日よ〜〜〜♡」
部屋を出て行く彼女を尻目に窓を覗く。
そこから見える水色の外の世界。
僕は伸び切った髪をかき分け、その未知の世界を飛ぶ小さな鳥をただ羨んでいた。
その他
公開:25/03/07 19:00
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