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記憶ドローンを買った。
VRゴーグルを被り、コントローラーを手にする。
「あの頃の風景だ!」
ドローンが映し出したのは、記憶を俯瞰で見下ろした映像だった。
三十代も半ば、ふと自分の写真が極端に少ないことに寂しさを覚えた。
過去を写真で撮り直すために、記憶の中にドローンを飛ばすことにしたのだ。
頭の中を虫が飛び回っているような感覚は慣れるのに苦労した。しかし一心不乱にシャッターを切った。
その画像は無線で接続したスマホに転送される。
こんな技術なら、事件の目撃者の記憶から犯人を映しだせるのではないか。
数百枚は撮った所で、写真を確認する。
「…何だ?」
写真はどれも自分以外の顔は焦点が合っていない。
普通のカメラでは起こり得ない現象だった。
これじゃ犯人は無理だ。
しかし自分以外でピントが合っている人物が1人だけ居た。当時、片想いしていた人だった。
苦笑いした。理由は明らかだったから。
VRゴーグルを被り、コントローラーを手にする。
「あの頃の風景だ!」
ドローンが映し出したのは、記憶を俯瞰で見下ろした映像だった。
三十代も半ば、ふと自分の写真が極端に少ないことに寂しさを覚えた。
過去を写真で撮り直すために、記憶の中にドローンを飛ばすことにしたのだ。
頭の中を虫が飛び回っているような感覚は慣れるのに苦労した。しかし一心不乱にシャッターを切った。
その画像は無線で接続したスマホに転送される。
こんな技術なら、事件の目撃者の記憶から犯人を映しだせるのではないか。
数百枚は撮った所で、写真を確認する。
「…何だ?」
写真はどれも自分以外の顔は焦点が合っていない。
普通のカメラでは起こり得ない現象だった。
これじゃ犯人は無理だ。
しかし自分以外でピントが合っている人物が1人だけ居た。当時、片想いしていた人だった。
苦笑いした。理由は明らかだったから。
SF
公開:25/03/04 23:31
まずは自分が楽しむこと。
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