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私は妻と死後の世界について話し合ったことがある。
「科学的に考えると、死後の世界なんてないんじゃないか?」
と私は首をかしげる。
「たとえそうだったとしても、死後の世界があると思って生きた方が楽しいわ」
妻はほほえみながら答えた。
死後の世界があるとは、にわかに信じがたい。
けれど、あると信じて生きることは自由だ。
しばらくして妻は体調が悪くなり、入院することになった。医者によると先は短いとのこと。
「あなたは長生きしてね。わたしは先にあの世で待ってるから、いつまでも」
それが妻の最後の言葉だった。
妻に先立たれ、私は1人残されることになる。ただ妻の最後の言葉が私の救いとなった。
あれから何年か経ち、私は倒れる。
おそらくもう長くはない。
意識が遠のいていく中、妻のことを思う。
もしもあの世で会えたなら、妻にたくさん、土産話を聞かせてやろう。
そう思いながら、私は優しく目を閉じた。
「科学的に考えると、死後の世界なんてないんじゃないか?」
と私は首をかしげる。
「たとえそうだったとしても、死後の世界があると思って生きた方が楽しいわ」
妻はほほえみながら答えた。
死後の世界があるとは、にわかに信じがたい。
けれど、あると信じて生きることは自由だ。
しばらくして妻は体調が悪くなり、入院することになった。医者によると先は短いとのこと。
「あなたは長生きしてね。わたしは先にあの世で待ってるから、いつまでも」
それが妻の最後の言葉だった。
妻に先立たれ、私は1人残されることになる。ただ妻の最後の言葉が私の救いとなった。
あれから何年か経ち、私は倒れる。
おそらくもう長くはない。
意識が遠のいていく中、妻のことを思う。
もしもあの世で会えたなら、妻にたくさん、土産話を聞かせてやろう。
そう思いながら、私は優しく目を閉じた。
青春
公開:25/03/07 15:51
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