猫なで声

にゃーーーーーーーん？
ごろにゃーーーーーーー？

何なんだこいつは。
さっきから俺の顔を覗き込んで猫なで声なんか出しやがって。
そんな声出されたって、俺はぜってぇなびかねぇぞ。

うにゃにゃにゃにゃ〜？

……ああ、しかし段々イライラしてきたな。こいつ何処にも行かねぇし。俺が反応するまでずっとこの変な声出してるつもりか？

ごろにゃ〜〜♡

限界だった。



ﾌｼｬｰｰｰｰｰｰｰｯ！！！！

「うわっ！」

突然構っていた野良猫に引っ掻かれた。うーん、どうやら構いすぎたらしい。

「にゃーにゃー鳴いてみたら仲間だと思って懐いてくれるかと思ったけど、難しいもんだな…」

出来たての傷を撫でながら、僕は溜息をついた。