ひと狩り行こうぜ

物置で籠の中に幽閉されている妖精を見つけた私は、すぐに鍵を開け、妖精を解放した。
妖精は私に何度もお礼を言うと急いで森へと帰る。
その様子を見ていたのだろう。顔と目を真っ赤にした男が私に詰め寄って来た。
「なんて事してくれたんだ！あの妖精はな！スギ花粉の妖精だぞ！」
ぶえっくしょん！と大きなくしゃみをする男。
さっそく妖精を野に放った効果が出ているようだ。
「ああ…今年もこれでまた酷い花粉症に悩まされる…」
鼻水と涙を流す男。かなり酷い花粉症持ちのようだ。
私は男の肩を叩く。
「安心して下さい。私は貴方の味方です。実は先程の妖精には超小型の発信機を取り付けてあります。今頃、私の仲間がスギ花粉の妖精狩りをしている頃でしょう」
空を見る。スギ花粉の妖精が森から逃げ出していくのが見えた。