月次職業登録制度

２２世紀。月次職業登録制度が普及した。ミニマムインカム完備、社会インフラ、学校、病院など諸サービスは各種AIロボットが着実にやってくれる。人間は何もせず遊んで暮らせるが、自由に耐えられず何か仕事をしたいという声も。そこで一ヶ月間だけ好みの職業に着く制度が始まった。
「月末だな」
「来月はどうする？」
「一度総理大臣をやってみるか」
「俺は歌手でも」
政治家でも医者でもタレントでも好きなように選べる。担当AIがフォローし失敗はない。人間は毎月いろんな職業を楽しんだ。
「先月、どうだった？」
「総理大臣は国会でAI原稿を読むだけ。夜に料亭でAIロボット接待。ご馳走様だ」
「歌手も楽しい。口パク、ロボット観客には受ける」
「来月は？」
「新幹線運転手か」
「俺は、AI研究所の所長でも」
「やめた方がいい」
「？」
「あれはAIにみっちり教育され、そのままAIロボットになってしまうとか」
「・・」