触らぬ犬に祟りなし

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「わ〜んわ〜ん」

少年が銃を片手に泣いていた。

人々は銃を恐れ少年に関わろうとはしなかった。

そんな中、とある老婆が少年に語りかけた。
「どうしたの?何かあったのかい?」

「わ〜んわ〜ん」
少年は冷たい銃を持ちながらただ泣き続けていた。

「ばあちゃんに話してごらん」
老婆は根気強く少年に語りかけた。

「おいバァさん!そんなガキに関わるなって!」
遠くで傍観していた青年が近付いてきた。
「なんだこのガキ、ただずっと泣きながら突っ立ってるだけじゃねぇか!」
「怖がって損したぜ、その銃はどうした?どっかで拾ったのか?あ?」

老婆が青年を窘める。
「あんまり責めないであげておくれ、この子にも何か事情があるんだよ」

「ヘッ」
青年は鼻で笑った。
「ンなもん知るかよ!ほら、気持ちわりぃからどっか行きな!」
そう言って少年の肩を掴んだ。

「わんっ」

少年は短く鳴き、青年を撃ち殺した。
その他
公開:25/03/01 18:00
更新:25/03/01 18:33

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