小野真斗平です

「次、入ってください」
「しずしずと失礼します」
「座って氏名を言ってください」
「小野真斗平です、はいはい」
「特技は何ですか？」
「さばさばと喋りが好き。トントン喋ってうきうきします」
「いつもそんな感じ？当社志望の理由は？」
「つんつんした役所よりがばがば儲ける商社がぶりぶり好きです」
「ウチはそんなに儲からないよ」
「何をおっしゃるウサギさん、マンマンなご謙遜。給与ガツガツ調べたらどんどん成長株」
「商社は人と話すのが商売、その話し方はちょっとねえ」
「だんぜん大丈夫。大学ではピチピチギャル集めてサークルやってがっぽり稼いでへらへら遊んでましたから」
「サークルは？」
「らんらん乱行ダンスパーティバッチリ開催、クスリもふわふわやってブタ箱に三回ぶち込まれました」
「履歴書に書いてないぞ」
「そんなこと、ちらちらちらりと書けますか。これ内緒です」
「もう帰っていいよ。次の人、入って」